在宅での仕事はリラックスしながら作業できますが、「緊張感がなくて集中できない」「ついダラダラしてしまう」とお悩みの方もいますよね。
私も在宅ワークを始めたばかりの頃は、日によって集中がまったく続かず、けっこう苦労していました……(笑)
在宅ワークで効率的に仕事を進めるためには、集中できない理由を明らかにして対策することが大切です。
本記事では、在宅ワークで集中できない主な理由と対策を紹介していきます。
自宅で快適に仕事ができるよう、対処法を日々のルーティンに取り入れてみてください。
在宅ワーク・テレワーク|集中できない理由5選
まずは、在宅ワーク・テレワークで集中できない代表的な理由を5つ解説します。
厚生労働省が行ったアンケート調査【テレワーク(在宅勤務)のデメリットとして感じること】では、以下の結果が出ています。
引用:厚生労働省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会(第4回)」
人によって感じ方はそれぞれですが、「仕事と仕事以外の時間の切り分けが難しい」「家族がいるときに集中しづらい」など、自宅ならではの働きにくさが多数挙げられていますね。
在宅ワークのデメリットについて理解を深め、適切な対策を練っていきましょう。
作業環境が整っていない
仕事専用の空間や設備が整っていないと、集中し続けるのは難しくなります。
- 通信環境が悪い
- 部屋が整理整頓されていない
- 仕事専用スペースが確保されていない
- 照明が暖色または暗めで集中しにくい
- 仕事場と休憩する場所が分かれていない
- 長時間の作業に適したイスやデスクがない
1つでも当てはまっている場合は、なるべく改善した方がよいでしょう。
作業環境を整えるだけで、集中が段違いに持続しやすくなりますよ。
オン・オフの切り替えがうまくいかない
在宅ワークは本来ゆっくり過ごすはずの自宅で仕事をするため、プライベートとの切り替えができなくなりがちです。
スーツに着替えたりメイクをしたりする必要もないので、休日と同じような感覚になってしまい、集中を保てないとお悩みの方も多いでしょう。
また、一人暮らしだと多くの場合、ベッドやソファが作業スペースと同じ空間にあるので、余計に集中しづらくなります。
- きちんとした服に着替える
- 仕事スペースとリビングスペースをパーテーションで区切る
このように、公私を切り替えやすくするための工夫が必要です。
家族や同居人の様子が気になる
家族や同居人がいると、話し声や足音などの生活音が気になって集中できなくなるケースがあります。
とくに子どもや要介護の家族がいる場合は、育児や介護のために作業が中断されたり、話しかけられて気がそれたりすることも多いものです。
また、同居人も在宅で働いている場合、キーボードを打つ音やWeb会議の音声が気になることもあるでしょう。
人がいるなかで在宅ワークをするときは、「〇時~〇時までは集中させてほしい」と具体的な時間を相談し、仕事中は大きな声や物音を出さないようにしてもらうなど協力をあおぐ必要があります。
スマートフォンやテレビに気を取られる
自宅には誘惑がたくさんありますよね。
ついついスマホでSNSや動画を見てしまったり、テレビをつけてしまったり……
漫画や小説を読んでしまったり、ソファやベッドで横になってしまったり……
集中を維持するためには、多くの誘惑に打ち勝たなくてはいけません。
- 仕事部屋にテレビを置かない
- 仕事中はスマホを近くに置かない
- 漫画や小説を見えない場所に収納する
などの工夫をして、気が散る要因をなくしましょう。
周囲に人の目がなく生活習慣が乱れる
在宅ワークでは周りに人の目がありません。
誰からも注意されないので仕事中の間食が増えたり、ギリギリまで寝ていられるので夜更かししやすくなったりしがちです。
睡眠や食事の習慣が乱れると、体内時計が狂う・自律神経が乱れる・ホルモンバランスが乱れるなどの不調が生じます。
その結果、だるさや疲れ、余計な眠気を覚えやすくなり、集中できなくなるのです。
また一人暮らしの場合、人の目がないことで孤独感や疎外感を覚えて気分が落ち込み、集中しづらくなるケースも多いでしょう。
- 出勤していたときと同じ生活リズムで規則正しく過ごす
- オンラインツールで定期的に人とコミュニケーションをとる
このようにして、適度な緊張感を保って過ごすことをおすすめします。
在宅ワーク・テレワーク|集中するための対策10選
ここからは、私が実践している方法を交えながら、在宅ワークで集中するための対策を10個紹介します。
一人暮らしの方でも同居人がいる方でも取り入れやすい対策ばかりなので、ぜひ試してみてください。
作業環境を整える
まずは、仕事しやすいように空間と設備を整えます。
- 仕事専用スペースをつくる
- 部屋を片付けてきれいにする
- 明るく作業しやすい照明にする
- 通信速度の安定したネット回線を契約する
- 作業しやすいイスやデスク、パソコン、モニターなどを買う
家族など同居人がいる場合は、「〇時までは大きな物音を立てない」など、在宅ワーク時のルールを決めておいてもよいでしょう。
身だしなみを整える
仕事を始める前に、きちんとした服に着替えて身だしなみを整えましょう。
洗顔・ヘアセット・メイクまでしっかり行って身綺麗にすると、気持ちがシャキッと仕事モードになりますよ。
私はパジャマや部屋着のままPCに向かっていると、だんだん眠くなってくるタイプなので(笑)
オフィスカジュアルのような服に着替えてから作業しています。
スマートフォンやテレビから距離を置く
ついスマホやテレビが気になってしまう方は、物理的に距離を置くのがおすすめです。
- 作業スペースをテレビから離れた位置にする
- 仕事が終わるまでスマホを別の部屋に置いておく
このように、スマホやテレビが視界に入らないよう工夫します。
仕事にスマホが必要で、どうしても見える範囲に置いておかないといけない場合は、仕事用のチャットなど限られたアプリのみ通知をオンにし、SNSなど余計なアプリは通知オフにしておきましょう。
規則正しい生活を心がける
集中力を高めるためには、生活リズムを適正に保つことも大切です。
規則正しい生活をすると体内時計が整い、自律神経の乱れや、ホルモンバランスの乱れによる集中力低下を防ぎやすくなります。
在宅ワークであっても、毎日しっかり睡眠をとって決まった時間に起床し、栄養のあるご飯を食べて健康的に過ごしましょう。
また厚生労働省では、体内時計を整えて寝つきをよくするため、起床時に日光を浴びるよう勧めています。
健康成人を対象にした観察研究では、起床後、太陽の光を浴び、体内時計のリズムがリ セットされてから 15〜16 時間後に眠気が出現することが示されている。光による体内時 計のリセットが毎朝起床直後に行われないと、その夜に寝つくことのできる時刻が少しずつ遅れることが示されている
引用:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」
朝起きたらカーテンを開け、日光を浴びておくと、生活リズムが乱れにくくなるのです。
カーテンを閉めたまま、暗い部屋で過ごすのはやめておきましょう。
適度に運動をする
基本的に在宅ワークは、長時間座りっぱなしでPCと睨めっこしているので、運動不足になりがち。
ずっと同じ姿勢のままでいると、肩こりや首の痛み、足のむくみなどが発生し、集中を妨げてしまいます。
作業の区切りがよいところで少し散歩をしたり、簡単なストレッチをしたりして適度に運動し、身体をほぐしましょう。
昇降デスクやスタンディングデスクを導入し、「座る→立つ」を繰り返しながら作業するのもおすすめです。
適度に短い休憩をとる
そもそも人間は、何時間もぶっ続けで集中することが不可能です。
「50分作業したら10分休憩する」など、学校の授業のように短い休憩を挟み、疲れやストレスを軽減させながら仕事を進めましょう。
休憩をとるうえで大事なのは、ダラダラ休まないこと。
作業時間と休憩時間を事前に決め、メリハリをつけて集中的に作業していきます。
集中し続けられる時間は人によって違うので、自分に合う作業ペースを見つけましょう。
ポモドーロ・テクニックを使う
「自分に適した作業ペースがわからない!」という方は、ひとまずポモドーロ・テクニックを試してみましょう。
ポモドーロ・テクニックとは、短い作業と短い休憩を繰り返して、集中力と生産性を高める時間管理術です。
やり方はとても単純ですが、時間を測ることで適度な緊張感が生まれ、グッと集中できるようになります。
私はポモドーロ・テクニック用のアプリやYouTube動画を活用して時間を測っています。
集中できるBGMをかける
「静かすぎる空間だと集中できない……」という方も多いでしょう。
適度な音がほしい場合は、集中できるBGMをかけると効果的です。
- たき火や川のせせらぎなど自然音
- 歌のない音楽(クラシックやジャズなど)
適度にBGMをかけると、同居人の生活音や道路を走る車の音などの余計な雑音が相殺され、集中しやすくなる可能性があります。
自分はどんな音が集中しやすいか、いろいろなBGMを試してみるとよいでしょう。
TODOリストを書いてタイムスケジュールを立てる
始業前に今日やるべきタスクをリストアップし、どの仕事を何時までに終わらせるか決めておくと、テキパキ作業できます。
TODOリストには、仕事の優先順位をつけやすくなるメリットもあるので、納期遅れ防止にも役立ちますよ。
TODOリストと1日のタイムスケジュールを書いたら、目につく場所に貼り、チェックしやすくしましょう。
仕事スペースにホワイトボードを設置するのもよいですね。
仕事仲間と適度にコミュニケーションをとる
在宅ワークは周囲に人の目がないので緊張感がなくなり、ダラダラしがち。
一人暮らしの場合は、誰とも会わないことにより孤独感や疎外感が増し、ストレスを感じることもあるでしょう。
同じプロジェクトの仲間とオンライン会議ツールで作業通話するなど、〝人の目を感じる環境〞をつくって集中するのもおすすめです。
私はmocri(もくり)という無料の作業通話アプリを活用しています。
mocri(もくり)は通話機能のほか、【みんなのフリースペース】という通話なしの機能もついています。
24時間いつでも入室できるバーチャル作業部屋で、「作業通話する相手がいない」「誰かと一緒に作業したいけど通話する気分じゃない」という時に便利です。
集中できない原因に合わせて対策を練ることが大切
在宅ワークは、本来もっとも安らぐはずの自宅が仕事場になります。
リラックスして仕事できるのは大きなメリットですが、「作業に適した環境がない・公私の切り替えが難しい」など、自宅ならではの働きにくさもありますよね。
自分が集中できない理由は何か突きとめ、原因に合わせて対策することが大切です。
- 集中できる作業ペースは?
- 長時間作業しやすい環境は?
- パフォーマンスが上がる生活リズムは?
集中しやすい環境は人それぞれ異なるので、作業しながら自分自身に問いかけ、いろいろな対策を試してみましょう。
自分にぴったりな作業環境を整え、健康的な生活を心がければ、集中力が高まって効率的に作業を進められますよ。