日本語検定は、正しい日本語を使えるようになるための検定試験です。
合格するには総合的な日本語力が必要なので、結論から言うと日本語検定3級をノー勉で合格できるのは「すでに語彙力があり日本語力が高い人」となります。
「学生時代に国語が得意だった」
「すでに十分な語彙力が身についている」
など、日本語力に自信のある方以外は、過去問などを使ってひと通り勉強しておいたほうが、安心して検定にのぞめるでしょう。
本記事では、日本語検定の内容や難易度、勉強法などを深掘りしていきます。
受検にあたり使用したテキストや勉強時間も紹介しますので、日本語検定を受けてみようかな?とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
日本語検定とは?
日本語検定は、総合的な日本語力を身につけ、正しい日本語を使えるようになるための検定試験です。
知名度はあまり高くありませんが、3級以上を取得すると、漢検・英検と同じく受験や就職などで優遇される場合があります。
日本語検定の内容は、漢字・表記・敬語・語彙・文法・言葉の意味の6領域+総合問題です。(筆記試験のみ)
総合問題では6領域をふまえた問題に加えて、文章の趣旨を的確に理解できるか試すための長文読解問題も出題されます。
なお、日本語を母語としない人が対象の日本語能力試験とは別物なので注意しましょう。
日本語検定の受検料や難易度、合格率などの基本情報は以下のとおりです。
受検料 | おおよその合格率 | 難易度 | |
1級 | 6,800円 | 5~10% | 社会人上級レベル |
2級 | 5,800円 | 20% | 大学卒業~社会人中級レベル |
3級 | 4,300円 | 40% | 高校卒業~社会人基礎レベル |
4級 | 3,000円 | 70% | 中学校卒業レベル |
5級 | 2,300円 | 80% | 小学校卒業レベル |
6級 | 2,200円 | 80% | 小学校4年生レベル |
7級 | 2,200円 | 90% | 小学校2年生レベル |
日本語検定は個人受検と団体受検(5人以上)が可能で、全国47都道府県に受検会場が設けられます。
お申し込み方法は、公式サイトからのネット申し込みや郵送など。
合否結果は受検日から約1ヶ月後に郵送で通知されます。
また、受検日から2週間ほど経つと、受検票に記載された受検番号とパスワードを入力することで、公式サイトから結果速報を見られるようになります。
日本語検定をノー勉で合格できるのはこんな人
日本語検定は漢字・表記・敬語・語彙・文法・言葉の意味の6領域+総合問題という構成なので、合格するためには総合的な日本語の知識が必要です。
下記の認定基準を示した表では、「すべての領域で正解率50%以上」が合格ラインとなっています。(7級を除く)
引用:日本語検定 受検概要 https://www.nihongokentei.jp/exam/
3級の難易度は高校卒業~社会人基礎レベルなので、すでに十分な語彙力や読解力があり、総合的な日本語力が高い方なら、勉強しなくても合格できる可能性はあるでしょう。
しかし、すべての領域でバランスよく得点するための日本語力は、一朝一夕で身につくものではありません。
日本語検定では今までの知識の蓄積が試されるので、少しでも苦手な領域のある方は、勉強しておいたほうが無難です。
【独学】合計6時間で合格! 日本語検定3級の勉強法
ここからは、日本語検定3級を受けるにあたり、実際に行った勉強法を紹介します。
もともと国語は得意で、漢検2級の受検経験もあるのですが、とてつもなく心配性なので割ときっちり対策しました!(笑)
使用した問題集はこちら↓
日本語検定の主催元「日本語検定委員会」が監修しているものです。
上記の勉強方法でかかった時間は、合計6時間くらいです。
仕事が終わったあと、毎日1時間くらいずつチマチマ勉強していたので、全部を終わらせるまでに6~7日かかりました。
過去問題集を解くときは時間を計り、受検時間内で全問解けるように練習しました。(3級は60分間)
そして、受検結果はこちら↓
敬語がやや苦手ではありますが(笑)ほぼまんべんなく得点できています。
合格すると立派な認定証がもらえます。
実際に受検して感じたこと
日本語検定3級は、過去に漢検準2級~2級を受けたことのある方なら、けっこう簡単に解答できる問題が多いと感じました。
漢検準2級は高校在学レベル、2級は高校卒業・大学・一般レベルの難易度なので、出題範囲がやや被っているんですよね。
勉強していて「この四字熟語、漢検でも見たことあるな~」みたいなふうに思うことが多かったです。
ただ、出題形式や問題の傾向を把握するためにも、過去問題集くらいは事前にやっておいた方がいいと思いました。漢検と違って長文読解問題もありますからね。
余談ですが、久々の検定だったので何だかすごく緊張しました(笑)
時間前に余裕をもって試験会場のビルに着いたものの、部屋がどこかわからず無駄にウロウロして、不審者のようになってしまいました……(笑)
日本語検定のその他の勉強方法
日本語検定のその他の勉強方法を3パターン紹介します。
3級より上級を受検する際にも活用できる勉強法なので、ぜひお役立てください。
領域別テキストを購入して勉強する
先に紹介した公式練習問題集と公式過去問題集は、日本語検定の6領域をまんべんなく学べるテキストです。
領域別に特化した問題集や参考書も出版されているので、苦手な領域がある方は活用しましょう。
購入するときは、日本語検定の主催元「日本語検定委員会」監修の問題集・参考書を選ぶのがおすすめです。
テキスト名 | 種類 | 主な内容 |
公式領域別問題集 | 敬語 文法 漢字・表記 語彙・言葉の意味 | 領域ごとに例題や練習問題がまとめられている。 苦手な領域を集中的に学べる。 |
日本語検定公式 テキスト・例題集 | 初級 中級 上級 | 過去問と例題がレベル別に収録されている。 |
必勝単語帳 | 入門編 発展編 | 一問一答形式の単語問題集。 直前対策におすすめ。 |
これならわかる 図解日本語 | 超入門用 | 日本語の基本的な知識をわかりやすく学べる。 |
通信講座を受ける
日本語検定の勉強に利用できる通信講座があります。
独学よりお金はかかりますが、大事なポイントをイラストつきの参考書や動画で体系的に学べたり、指導スタッフがサポートしてくれたりする点はメリットです。
生涯学習のユーキャンでは3・4級に対応した【国語の常識講座】と、2・3級に対応した【日本語検定受検対策講座】が用意されています。
代々木ゼミナールからは2・3・4級の内容を目安とした【表現力で差をつける!高校生からの日本語特講 】が提供されています。
「飽きっぽくて1人では勉強が続かない」
「どう勉強したらいいかわからない」
など、自力で勉強するのが不安な場合は、受講を検討するとよいでしょう。
学習アプリで勉強する
日本語検定は3級程度の内容であればアプリでも勉強できます。
学習アプリは通勤・通学などの隙間時間にサクッと勉強できるので便利ですよね。
Androidのスマホをお持ちの方は、学習アプリ【日本語検定 3級 4級 5級 基礎固め 学習アプリ 資格試験】がおすすめです。
iOS対応の日本語検定用アプリは出ていないので、iPhoneをお持ちの場合は漢字検定用のアプリを使うとよいでしょう。
日本語検定で出題される6領域のうち、「漢字・表記・語彙・言葉の意味」などの項目に近い勉強ができます。
なお、学習アプリは基礎的な内容が多いので、より本格的に学びたい場合は、公式の問題集を使った方がよいでしょう。
日本語検定は日頃から日本語力を高めておくと合格しやすい
日本語検定は、総合的な日本語力が試される検定試験です。
すでに語彙力が高く、十分な日本語力が身についている方なら、3級程度であればノー勉でも合格できるかもしれません。
しかし、日本語検定で出題される漢字・表記・敬語・語彙・文法・言葉の意味の6領域+総合問題(長文読解含む)のなかに少しでも苦手な領域がある方は、公式の問題集などを使って勉強したほうがよいでしょう。
公式過去問題集や公式練習問題集などを使って、出題形式や傾向を把握し、検定本番に備えておきましょう。